近年よく耳にする「働き方改革」というワードですが
いまいちよくわかっていないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、
アルバイトで働く人にも関わりがある働き方改革について
押さえておきたいポイントを解説しています。
ぜひ最後まで読んで
働き方改革についての理解を深めましょう。
1.働き方改革とは?
まずは働き方改革について
基本的な概要を押さえておきましょう
・働き方改革の目的
現在日本では
「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」
「育児や介護との両立など、働く人のニーズの多様化」
など、労働に関する様々な課題が存在しています。
こうした課題解決のために、
働く人の個々の事情に応じ多様な働き方を
選択できる社会を実現する
というのが「働き方改革」の目的です。
具体的には
労働施策に関する基本的な事項として
・労働時間の短縮等の労働環境の整備
・均衡のとれた待遇の確保、多様な働き方の整備
・育児・介護・治療と仕事との両立支援
などを含む7項目が挙げられています。
参照:労働施策基本方針(概要)
・アルバイトに関係ある法改正
上記の基本事項のもとに
法整備が行われています。
その中でもアルバイトの働き方に
変化をもたらすのは以下の変更点です。
①年次有給休暇の確実な取得
年10日以上年次有給休暇を付与する労働者に対して、
年5日については
使用者が時季を指定して取得させなければいけません。
こちらについては
1、雇入れの日から6か月継続して雇われている
2、全労働日の8割以上を出勤している
3、週30時間以上又は週所定労働日が5日以上
に当てはまる方が対象です。
週所定労働日が3日と4日の方も
勤続年数によっては対象となる場合があります。
年次有給休暇の付与日数については
年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説(厚生労働省・都道府県労働局・労働基準監督署)で確認できます。
②パートタイム・有期雇用労働法
・不合理な待遇差の禁止
同一企業内における、
正社員と非正規社員との待遇において
不合理な待遇差を設けることを禁止します。
・労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
非正規社員は「正社員との待遇差の内容や理由」
などについて
事業者に説明を求めることができるようになります。
・行政による事業主への助言・指導等や裁判外紛争解決手続(行政ADR)の整備
都道府県労働局において、
無料・非公開の紛争手続きを行います。
「均衡待遇」や「待遇差の内容・理由」に関する説明についても、
行政ADRの対象となります。
以上①②が主な法改正のポイントです。
2.働き方改革のメリットとデメリット
これまで説明した変化が
アルバイトで働く方たちにとって
どのようなメリットとデメリットを
もたらすのでしょうか
メリットとデメリットに分けてご説明します。
・メリット
法改正①
アルバイトに対して有給休暇が発生することを
伝えておらず、実質有給休暇を取らせていない企業も
これまでは多く存在しているようでした。
そうでなくても職場が忙しいなど様々な理由で
有給休暇を申請できなかった方も多いです。
有給休暇の確実な消化が義務付けられたことにより
今まで有給を使えていなかったアルバイトも
有給休暇を使えるようになることは
大きなメリットです。
法改正②
これまで雇用形態はアルバイトでありながら
実質的には正社員と同じ仕事をしていた人
にとって待遇改善のきっかけとなります。
例えば正社員転換がある会社で
正社員を目指して働いているアルバイトの方がいて
仕事内容や能力などが正社員と同等である場合
正社員との待遇差について会社に理由の説明を
求めることができます。
もし不合理な待遇差と認められれば
会社は待遇を改善しなければなりません。
待遇が改善されることは
大きなメリットとなるでしょう。
・デメリット
法改正①
有給休暇の付与日数によって
対象にならないケースがあります。
自分自身の雇用契約を
確認する必要があります。
法改正②
家族の扶養に入っているなどの事情で
収入を調整している方は要注意です。
条件が改善され収入が増え
予想していた年収を上回る可能性があります。
時給が上がった場合には
労働時間を減らすなどの調整が必要になります。
3.働き方改革の気をつけるポイント
働き方改革の内容を踏まえると
人によってメリットがある人と
逆にデメリットになってしまい
注意が必要な人とに分かれます。
重要なのは
自分自身がどのような働き方を望んでいるのか
実際の労働契約がどうなっているのか
を把握することです。
働き方改革は
多様な働き方を実現することを目標としています。
そのため自分の目的と合っているものばかりでは
ないでしょう。
メリットとデメリットを確認し
自分の状況に応じて対応を考えることが大切です。
【まとめ】働き方改革は時代の流れ!しっかり押さえよう!
ここまで、働き方改革の内容や
メリット、デメリットに触れて
押さえておきたいポイントを説明してきました。
アルバイトで働く方にとっても
働き方改革は重要な変化です。
自分の働き方にどのような変化をもたらすのかを
しっかり押さえ
上手に制度を活用しましょう。