求人広告を出すときに関わってくる法律をご存じですか?
これからご紹介する法律は罰則もついており、
トラブルになったときには大変なことになりますので、
求人広告を出す前にしっかりと確認しておきましょう。
ではさっそく、それぞれの法律についての特徴やポイントについて見ていきましょう。
1.労働基準法
労働基準法とは、正社員、アルバイト、パートなど
労働者すべてに関わる法律です。
労働契約における給与、休日、労働時間などの最低基準を定めており、
違反すると罰則もあります。
労働者からすれば会社に対して労働条件を交渉することは立場上難しく、
労働基準法があることで守られていると言えます。
2019年4月に「働き方改革関連法」が施行され、
主に改正されたことは次の3つです。
・会社は年10日以上の有給休暇を取得している従業員に対して、
1年以内に5日以上の有給休暇を取らせることが義務づけられる。
・残業時間の上限がなかった特別なケースについても制限がつくようになる。
・正規雇用、非正規雇用に関わらず、仕事内容が同じであれば待遇も同じものとする。
同一労働同一賃金という言い方で呼ばれています。
2.男女雇用機会均等法
男女雇用機会均等法とは、会社においての
性別による差別の禁止を定めた法律です。
具体的には、求人広告で男女どちらかのみを募集することや、
性別により昇進をしやすくしたり、しにくくしたりといったものです。
福利厚生についても結婚や出産で性別による
待遇の違いをだすのも禁止されています。
職種のよび方でも看護婦やスチュワーデスなど、
性別を特定することもいけません。
1986年に制定された男女雇用機会均等法ですが、
これまでに3回改正されており、以下のような変遷をたどりました。
・1999年、事業主に対して性差別をなくすよう努力する義務が加えられました。
・2006年、女性差別を禁止することについての法律だったのが、
男性もふくめた性差別の禁止に変更されました。
・2016年、「間接差別」を禁止することが追加されました。
具体例として、世帯主に対してのみ住宅手当を支給するという規則があるとき、
一般的な世帯では男性が世帯主のことが多いので、実質的に性差別になります。
本来この場合は世帯主という制限をなくさなければなりません。
3.最低賃金法
最低賃金法とは、国が決めた最低賃金以上を
労働者に支払わなければならない法律です。
最低賃金の額は都道府県によって違います。
なぜかというと、地域により物価が変わってくるからです。
経済活動が多く集まる都市部では、それだけ利益があがることが多いため、
最低賃金が上がるのも自然な流れです。
最低賃金法に違反すると罰則(50万円以下の罰金)があります。
そのため、求人広告にだすときには最低賃金の確認が必要不可欠です。
試用期間中や身体や精神に障害を持つ人には最低賃金法の適用外になるので注意が必要です。
4.雇用対策法
雇用対策法とは、労働者の完全雇用を実現するために定めた法律です。
雇用対策法のポイントは求人の際の年齢制限の禁止になります。
とはいえ、大抵の求人広告には年齢制限があるのが実情です。
とはいえ、大抵の求人広告には年齢制限があるのが実情です。
例外として認められている「長期勤続によるキャリア形成を図る観点」を理由に
35歳以下の人を募集している求人がハローワークでは多いです。
ほかには、高齢者を限定した募集も例外で認められていることから、
大体の年齢も募集は年齢制限をすることができると言えます。
5.職業安定法
職業安定法とは、求職者の能力に見合う職業を紹介し、
労働力の安定を目的にした法律です。
ハローワーク(公共職業安定所)を主として、
民間の職業を紹介している会社が守らなければなりません。
職業安定法の特徴は、厚生労働大臣への許可、または届出を行うことと、
労働条件の明示や、労働者から紹介手数料を取らないことなどがあります。
また、2018年1月1日に職業安定法が改正された内容でのポイントは、
使用期間中の労働条件の明示、募集者の氏名の明示です。
罰則についても改正とともに範囲が拡大し、
最大10年以下の懲役、300万円以下の罰金があります。
【まとめ】しっかり関連法規を学びましょう
ここまでにご紹介した法律は
求人募集をする際に注意しなければならないことです。
求人を出してから違法なことがわかっても遅いので、
事前に法律について確認しておくことをおすすめします。
誰でも聞いたことがあるであろう労働基準法のほかにも関連した法律があり、
思った以上に複雑なことになっているのが現状です。
トラブルなく求人広告を出し、
安心して採用活動ができるようにしていきましょう。