人材不足が深刻な業界も多い中、
外国人労働者の数は年々増加しています。
今回は、留学生を採用するメリットと
採用する前に確認すべきことや、
注意すべきことを解説していきます。
トラブルを防ぐためにも、正しい知識を身につけたいですね。
1.留学生採用のメリット
まず、メリットとしてあげられるのは労働力の確保、
人材不足の解消ができるということです。
厚生労働省の「外国人雇用状況」の調査では
外国人労働者の数は2012年より右肩上がりで、
8年間で2倍以上に増加しました。
少子高齢化が進む日本では、
今後ますます人材不足が深刻になる可能性が高いので、
積極的に外国人材の雇用を
推進する企業が増えてきているようです。
また、留学生は育ってきた環境や文化の違いから、
日本人とは異なる価値観を持っています。
そのため、ときに斬新なアイディアを
生み出してくれることがあります。
外国のお客様への対応も、よりスムーズにすることが期待できるでしょう。
2.留学生採用の注意点
資格外活動許可の有無を確認
留学を目的としているのであれば、
日本で中長期間の滞在を認められている外国人に
交付される「在留カード」というものを所持しているはずです。
ですので在留カードを確認し、
「資格外活動許可」を得ているかどうかを必ず確認しましょう。
「資格外活動許可」を得ていないにも関わらず、
アルバイトに従事することは、不法就労にあたり、
雇用主も「不法就労助長罪」に問われることになりますので、
許可がない場合には、必ず許可を得てもらってから
雇用契約を結んでください。
また、併せて「有効期限」を確認することも忘れてはいけません。
在留カードの有効期限が切れている場合は、
雇用することが認められないからです。
業種・労働時間に制限がある
留学生がアルバイトをするにあたっては、
働ける業種や労働時間に制限があるので、
その点にも注意が必要です。
禁止されている仕事の例としては、
・性風俗店
・キャバクラ
・スナック
・パチンコ店
・麻雀店
・ゲームセンター
などの「風俗営業」に関わる業務です。
気をつけなければいけないのは、
仕事内容が清掃やお皿洗いであったとしても、
風俗営業店で働くこと自体が禁じられている、
ということです。
そして、留学生は在留資格が「留学」であることがほとんどなので、
学業に支障が出ないようにするため、
労働時間に制限が設けられています。
具体的には、
・1週間あたりの労働時間が28時間以内
・夏休みなど「学則で決まっている長期休業期間」中に限っては
1日8時間(週40時間)まで労働が可能
と決められています。
また、アルバイトが2か所以上の掛け持ちになる場合は、
全てのアルバイト先の勤務時間の合計が、
28時間以内になるように調整が必要です。
各種保険の加入条件を確認
外国人の雇用においても、
日本人と同じ健康保険法や雇用保険法、
労働者災害補償保険法などが適用されます。
まず厚生年金・社会保険については、加入条件が
・1週間の労働時間が一般社員の4分の3以上
・1ヶ月の労働日数が一般社員の4分の3以上
となっており、
留学生が加入条件を満たすような
労働時間・日数を超えることは、まずないでしょう。
次に雇用保険ですが、
・1週間の労働時間が20時間以上
・31日以上の雇用見込みがある
上記の2つを満たすことが加入条件となりますが、
全日制の学校に通っている学生の場合は被保険者にはなりません。
しかし、卒業見込み証明書があり、
卒業後も継続して雇用することが決まっているのであれば、
雇用保険に加入させる必要があります。
また、夜間や通信制の大学に通う学生も
雇用保険の加入条件を満たせば被保険者となります。
そして労災保険に関しては、国籍や雇用形態を問わず
全ての労働者が加入対象ですので、
必ず加入手続きをおこないましょう。
【まとめ】留学生を採用し、労働力を確保しよう
国籍が違うというだけで、
日本人とは異なり様々な注意が必要になる外国人の雇用。
必要な知識を正しく理解して、手続きをぬかりなくおこなえば、
人手不足を解消するための足掛かりになります。
積極的に外国人の雇用を検討してみましょう。